2025年1月 3.識字率 |
![]() 世界全体の識字率は、男性が90%、女性が83%と報告されています。ユネスコが公表している『世界子供白書2023』をもとに、15〜24歳の識字率を比較してみましょう。識字率が高い国として、アルメニア・アゼルバイジャン・ベラルーシ・ボリビア・ブルネイ・中国・ジョージア・インドネシア・イタリア・カザフスタン・キルギス・ラトビア・レバノン・ポルトガル・ロシア連邦・セルビア・シンガポール・トルコ・ウズベキスタンで100%、アルバニア・アルゼンチン・コスタリカ・クウェート・マルタ・ペルー・サウジアラビア・セーシェル・スペイン・トンガ・ブラジル・コロンビア・ギリシャ・ヨルダン・メキシコ・モンゴル・モンテネグロ・パナマ・パラグアイ・ルーマニア・サモア・スリランカ・パレスチナ・ウルグアイ・ベトナムで99.0%から99.5%と報告されています。日本が含まれていないのは、このユニセフの調査期間にデータが入手できなかったためで、実際は100%のカテゴリーに含まれます(数値は99.96%、出典:文部科学統計要覧)。 一方で、識字率が低い国としては中央アフリカの38.5%、ニジェールの43.5%、南スーダンの47.5%が報告されていました。識字率を高めるためには、義務教育、しかも無償での義務教育が一番の道です。しかし、国の財政が貧しく、教育に振り向ける財源が確保できないなど、途上国では課題が残されています。そこで、ユニセフや他の国際的なNGOが援助する必要が生まれているのです。 義務教育が識字率を高めた国として、100%のカテゴリーにあるアフガニスタンに注目したいと思います。今日ではタリバン政権の実効支配のもとで、女子の教育が制限されるなどの新たな課題が生まれていますが、1955年には7年間の義務教育が始まり、2005年には100%に近い水準に達していました。 「読み書きそろばん」と古くから言われている人間としての基礎的な能力を習得する機会は、基本的人権の一つです。教皇の意向は、全ての人が希望に満ちた平和な世界に生きることができるための礎である「教育」に注がれています。特に、途上国で教育を受ける権利が奪われて、読み書きを習得することができない多くの子どもたちのために、祈りをささげるとともに、国際的な団体への寄付などで識字率の向上に協力する姿勢を示してまいりましょう。 |