2025年6月  4.能登の被災者
 梅雨前線が活発になって、水害が心配される季節が巡ってきました。異常気象の根本的な原因の一つが地球の温暖化だとされています。私たちができることは、日々の生活で地球にやさしい行いを続けていくことですが、ひとたび災害が起きた時には、被災した方々ができる限り早く元の生活を取り戻すことができるように支援することでしょう。世界に目を広げて祈ることも大切ですが、身近にも生活の場を失って苦しんでいる人がいることに心を向けることも大切です。
 日本の教会の意向は、「難民移住移動者」で「さまざまな理由で故郷を離れざるを得ない人たち」を「受け入れるための必要な環境を整えることができますように」と祈るように奨めています。この一週間は昨年の2024年1月1日に大地震で被災し、その後9月に豪雨によって被災した能登半島の被災者に思いをいたし、未だに困難な生活を余儀なくされている方々に必要な援助が届くようにと祈り、そして、一人ひとりができる支援について考えてみましょう。
 今年の4月13日には、石川県内の避難所がすべて閉じられたと報道されました、しかし、一時4万人いた避難者のうち、約半数の2万人が依然として仮設住宅や公営住宅で暮らしています。以前と全く同じ生活に戻ることは困難ですが、恒久的な住まいを再建して新たな一歩を歩みだす段階に入っていると言えるでしょう。
 カトリック教会では名古屋教区がカリタスジャパンと協力して支援に取り組みました。その活動方針を紹介します。まず、@人々の中に出向いていき、声なき声に耳をすませます。そして、A交わりの場をつくります。さらに、Bお互いに活かしあう場をつくります。最後に、Cつながりの輪を広げます。また、募金についても呼びかけています。
 国や県の施策によって、公的な支援が進んでいます。しかし、その制度の枠から漏れ落ちて、自力では再建のめどを立てられない方々に寄り添うことこそ、私たちに課せられた使命でしょう。この夏と秋に、豪雨による災害が起きませんようにと祈り、そしてまた、被災した人々が心と体の健康に恵まれて、新たな一歩を踏み出すことができるようにと、祈りをささげてまいりましょう。