2025年9月 2.被造物の季節 |
![]() 教皇レオ14世は、この日に際して「平和と希望の種」と題したメッセージを発表しました。その中で心を打つ言葉が示されています。「環境正義」です。「それは、純粋な環境保護にとどまらない、緊急の必要性を示しています。社会的、経済的、人間学的な正義の問題なのです」と述べ「気候変動、森林破壊、汚染といった破壊的影響を最初に被るのが、もっとも弱い立場にある人々だというこの世界の中にあって、被造界のケアは、信仰と人間性にかかわる問題となるのです」と重ねて、私たち信仰者の責務について説いています。 https://www.cbcj.catholic.jp/2025/07/31/33504/ この教皇メッセージでも触れられていますが、被造物に対するケアは、エキュメニカルな運動に発展しました。9月1日から10月4日までを「被造物の季節(Season of Creation)」とし、全世界のすべてのキリスト者、オールクリスチャンの行事として位置づけられています。 https://laudatosi.jp/2023/05/15/775/ 始まりは1989年、コンスタンチノープル全地総主教ディミトリス1世が、9月1日を東方正教会における「被造物のために祈る日」と制定したことでした。東方の教会暦ではこの日が新しい年の始まりの日で、神が世界をお造りになったことを記念するこの日から一年をスタートさせています。 そして正教会の全地総主教ディミトリス1世とWCC(世界教会協議会)が旗振り役となり、今や世界中のキリスト教会が、それぞれの暦にこの月間を取り入れています。ローマ・カトリック教会も2015年になって、カトリック教会の月間とするようにとの教皇フランシスコの呼びかけで公式参加となりました。日本のカトリック教会も、「すべてのいのちを守るための月間」という名で取り組んでいます。 わたしたち一人ひとりも、「環境正義」について考えを深め、世界中のキリスト者とともに、「ともに暮らす家(地球)」のケアのために祈りをささげてまいりましょう。 |