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6. アルペ修練長の修練者たちの証言
昔、彼の修練者であった瀬戸勝介神父は次のように証言している。「彼は厳格で男らしかった。しかし同時に、非常に人間味があった。彼の特徴はその創造性である。独創的な人であった。いつもアイデアがいっぱいだった。戦争中何もかも欠乏して、食べるものがなかった。アルペ神父は自分で台所に入って、小麦粉とサッカリンでケーキのようなものを作ったりしていた」。修練者に対して経験させた「へりくだり」(謙虚になること)の例の一つは、シャベルと籠を持って、町の通りを行き来する馬の馬糞を拾い集めることだった。「修道者の服装である〈ローマンカラー〉を着けて、馬の後を行ったものだ」と瀬戸神父は述べている。
アルペ神父は修練者に多くのことを求めた。しかし修練者が誓願を立てると、アルペ神父の態度が一変した。林省吾神父が初誓願を立てたあと、アルペ神父は彼に言った。「あなたはもう修練者ではない。これからは別の所へ行って、いろいろなイエズス会員を見るだろう。しかしあなたがここで見たのは、本当のイエズス会員だよ」と。
「アルペ神父はその人となりで私たちに影響を与えた」と中井允神父は述べている。
「彼はすばらしい教育者で、人の中に一歩一歩信頼の念を植えつけていった。実際的な感覚をもった教育者だった」と土屋吉正神父は確言している。
(特集-アルペ神父 6 2006/7/7)