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8. アルペ神父の長上への訓話

 「長上とは『他の人々の兄であり、権威をもって特別な責任を負い、同時に、共同体や共同体のメンバーに対し、神のみ旨を識別し、告げ知らせるための助け手である』。
 イグナチオも長上のうちに〈内的な自己放棄〉が行われるように要求した。それは完璧さと困難さを要求する。祈りによってキリストと一致するしか、それを得ることはできない。〈厳しさと優しさ〉を結びつけることができるのは、目下に対する真の愛情と理解があってこそである。
 寛大さはいつも非常に必要なものである。今日のように弱さが表面に出てきている時にはなおさらである。・・・長上は勇気をなくさせたり、平静さを失わせてはならない。また、何か大きな事、困難な事や骨の折れる事を始めるためにも、この寛大さが求められる。
 今日、長上はすべての会員の言うことに耳を傾ける大きな能力をもたなければならない。目下の一人一人に関心をもつこと。・・・長上は目下という人間に対する敬意を表し、彼の自発的な従順さを育てなければならない。・・・ひとことで言えば、兄弟に奉仕する精神をもって、神が愛されるのと同じ愛を表しながら、権威を行使することである。〈イエズス会員はすべて正しい意向をもっている〉という確信に基づいた大きな信頼である。目下を信頼していないという印象を与えるよりも、ある時には信頼を〈し過ぎ〉て、だまされるほうがよい。」(1970年)
 「長上は、目下がいつも自分の仕事をキリストの証しとして、神の国のための使徒職だと考えるよう、助けなければならない。長上はこの証しを提供し、目下を励まし、〈派遣された者〉という意識のうちに、キリストを代表し、宣教のための使徒的権威をもって、人々に豊かな愛情を与え、世話をする。自分が統括する共同体の一致の推進者となり、時のしるしを読みとり、勇気をもって危険を引き受け、多様な意見を尊重しながら、〈イエスと共にいる〉〈イエスと共に、イエスのように働く〉ところから湧いてくる勇気と楽観主義をもって、それらの意見を識別するのである。」(1978年)

(特集-アルペ神父 8 2006/7/21)

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