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フランシスコ・ザビエルからの手紙(8)

 ザビエルが鹿児島からゴアのイエズス会員に向けて書いたこの手紙では、神への奉仕のために諸徳を身につけ、心に霊的なことを味わうことの大切さを説明しています。

「この地方に来る人たちは、能力の限界を十分に試されるだろうということを信じてください。このために、諸徳を身に備えようとどれほど努力しても足りるものではありません。私がこのように言うのは、神に奉仕することは苦労が多いものであるとか、主の軛は負いやすい(マタイ11・3)ものではないなどと言いたいからではありません。なぜなら、もしも人びとが神を探し求めるために必要な手段を取り入れ身につけるならば、神への奉仕はたいへん大きな心地よさと平安とを見出すことができます。また、自分に打ち克つのに、どれほど嫌悪の情を感じるとしても、誘惑に負けぬように努力しなければ、いかに多くの精神的な喜びと満足とを失うかが分かってさえいれば、その嫌悪の情をすべて克服して前進するのは、いともたやすいことでしょう。精神力の弱い人たちは、いつもこの誘惑に負けて、神の全善を知ることができず、苦労の多い生活の中で安心することができません。なぜなら、心のうちに霊的なことを味わうことなしにこの世で生活することは、それは生きるということではなく、死の連続なのですから。」

(特集-聖フランシスコ・ザビエル 8 2006/4/28)

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