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1. 信仰年

教皇ベネディクト16世は2011年10月17日に使徒的書簡「ポルタ・フィディ(信仰の門)」を公布、これを通して、2012年10月11日~2013年11月24日の「王であるイエス・キリスト」の祭日まで“信仰年”を祝うことを発表された。これは教皇ヨハネ23世の1962年10月11日、第二バチカン公会議開幕の50周年を迎えると同時に、福者教皇ヨハネ・パウロ2世の1992年10月11日に改編した『カトリック教会のカテキズム』発行から20年目にあたるのである。
 この“信仰年”に、全てのキリスト者たちが自分の信仰の基礎をもっと固めるきっかけになるよう望まれている。キリスト教、言い換えれば“キリストの道”の基礎は復活したイエス・キリストである。ベネディクト16世が使徒的書簡(2号)の中に“信仰年”はすべてのキリスト者たちにとって自分の信仰の美しさと喜びを味わい、それを証しする好機になるようにと記載されている。
 『せせらぎ』のホームページは、人々が信仰を深めるために、ロヨラの聖イグナチオの教えから学ぶことを助けようとしている。
 信仰は神との人格的な交わりであり、自由に、従順と信頼のうちに、聖霊の恵みによって真理を受け入れ、味わう生き方である。神との交わりの道である信仰によって、神の子らであることを経験し、永遠の命へ導かれる。聖アウグスチヌスによると、「信じながら、信仰は強くなる」ものである。その信仰の成長のためには、神の愛に信頼をもって自分を委ねることが必要である。
 現代には、信仰の態度は客観的な知識から来るものよりも、曖昧な感情的な憧れによると見る誤った傾向がある。
 しかし信仰は、聖書における神の啓示を聴き、教会が紹介する「カテキズム」を通して、その神秘を受け入れて、信仰のまとめとしての信条を宣言することである。

 “信仰年”は、個人的にも、共同体としても、喜びの内に、さらに祈りを深めながら、キリストへの信仰を強める新福音宣教のきっかけである。
 “さらに(もっと)”(magis)という言葉はロヨラの聖イグナチオが好んだ表現であり、彼の“証し”の根である。“証し”とは、内側と外側の間に距離がないということである。聖人を見ると、話している言葉は本当にその人をを生かしているという確かな印象を与え、そのように判断することができるのである。
 これからロヨラの聖イグナチオに従って、“信仰年”を深めよう。
 聖人はカトリック教会の「カテキズム」を信じていた。なぜなら、聖イグナチオにとって、「教会はキリストの花嫁と私達の母」であったからである”(霊操の「教会とともに感じ取る規則」)。

(イエズス会司祭)

 

(特集-信仰年 1 2012/10/12)

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