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2. 新しい人になる

 数週間前まで、裸だった樹々が、今は見ちがえるばかりです。したたるような緑の葉が枝々にあふれています。冬にはイメージが浮かびそうもなかった花々を、咲きほころばせているものもあります。心の世界にも同様なことが生まれます。
 神の恩恵は、キリストの復活という形にまでなって現れました。愛を分け与えようとする神の御子となったイエスでしたから、神のいのちが充満し、復活に至ったのだと思われます。
 甦ったいのちを見つめてみましょう。そこには、生気があふれます。躍動が湧き出します。温かさがみなぎります。こうして、固く冷えていたものは、その古い殻をやぶって、新しさをほとばしらせます。
 キリストと同じ歩みを行うとき、人は、狭く、内向きで冷ややかな心ではなく、広く他者に向かって、たえず新しい何かを生み出します。そして、自分も新しくなります。
 古い人を抜け出し新しくなる人の喜びは、いのちの豊かさに育まれる喜びです。
 愛すること――いのちが豊かになること――新しい人となってゆくこと――喜びが増すこと、という展開が自分の中に生み出されますよう祈りたいものです。


 

(特集-よろこび 2 2002/4/5)

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