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11. 直すことができない楽観主義者

 1980年降誕祭の前から1981年復活祭まで、アルペ神父はローマのイエズス会本部の報道局長であるジャン・クロード・ディーチ神父と、アルペ神父の自伝的話題を中心とする座談会をもった。席上ディーチ神父はアルペ神父に次のように聞いた。
 「あなたは〈直すことができない楽観主義者〉と呼ばれていますが・・・現代のような悲観的な世界にあっても、あなたのような態度でいられる根拠となるのは何でしょうか?」
 アルペ神父は答えた。「私は楽観主義者と呼ばれてうれしいのです。しかし、私の楽観主義はユートピア的なものではない。希望に根ざしているのです。神は人類のために何がより良いかをよく知っておられ、それをすることがおできになり、それをされるであろうと確信しています。世界が今日最も必要としているのは、希望です。・・・人間の仕事の代わりをする武器や機械を生み出すテクノロジー、生命を操作するテクノロジー、過激主義、テロリズム、拷問、恐ろしい手段を含む政治の分野には、幻滅させられることが多いのです。〈神は死んだ〉と言うようになった宗教の分野、道徳の分野でも、この世的偶像が尊ばれ、失望させられることがあります。ティヤール・ド・シャルダン師はよく言っていました。『世界は世界に最大の希望を与える者のものになるであろう』と。したがって、福音書の観点から言えば、希望は私にとって非常に重要なものです。希望の精神を養うべきです。私はアブラハムのように、『希望に対し希望をもつ』と言うのが好きです。私の楽観主義は何よりも神の恵みによるもの、それに私の人生経験によるものです。」

(特集-アルペ神父 11 2006/8/11)

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