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1. 聖母の祝日を祝うこと

 現在ローマ・カトリック教会が定めている聖母マリアの祝日は次の通りです。
(1) 神の母聖マリア(祭日:1月1日)
(2) 教会の母聖マリア(2018年より、聖霊降臨の主日後の月曜日)
(3) 聖母の訪問(祝日:5月31日)
(4) 聖母のみ心(記念日:イエスのみこころの祭日の翌日の土曜日)
(5) 聖母の被昇天(祭日:8月15日)
(6) 天の元后聖マリア(記念日:8月22日)
(7) 聖マリアの誕生(祝日:9月8日)
(8) 悲しみの聖母(記念日:9月15日)
(9) ロザリオの聖母(記念日:10月7日)
(10) 聖マリアの奉献(記念日:11月21日)
(11) 無原罪の聖マリア(祭日:12月8日)
その他、「神のお告げ」(祭日:3月25日)が間接的に聖母マリアに関係する祭日として祝われ、また5月は一ヶ月間「聖母の月」として祝われます。

 聖母マリアの祝日を相応しく祝うためには、どのような態度が必要でしょうか。それについて第二バチカン公会議文書の『典礼憲章』は、次のように述べています。
 「キリストの諸秘儀を、一年の周期をもって祝う際、聖なる教会は、神の母・聖母マリアを、特別の愛をもって敬う。聖母は、切り離すことができない絆によって子の救いのわざに結ばれている。教会は聖母のうちに、あがないの最も優れた実りを感嘆し、ほめたたえ、あたかも最も純粋な姿のうちにおけるものとして、聖母のうちに、自分が完全にそうありたいと欲し、希望しているものを、喜びをもって見つめるのである」(103)。
この文章は、次の三つの点から聖母の祝日を祝う態度を教えています。
 第一に、聖母マリアの祝日は、キリストの過越の秘儀の中で統合されるものであるということ。教会暦の祝祭は、①キリストと直接関係があるもの、②聖母マリアと関係しているもの、③聖ヨセフを含む諸聖人と関係しているものに分けられていますが、実際これらすべては、キリストの過越の神秘を、それぞれ異なった側面から照らしているのです。つまり、公会議も語っているように、「聖母は切り離すことができない絆によって、神の救いのわざに結ばれている」方であり、それぞれのマリアの祝日は、キリストによってもたらされた救いのみわざのある部分を表しているのです。
 第二に、教会の中で聖母マリアが崇敬される理由は、彼女が「あがないの最も優れた実り」だからです。聖母マリアは、自分の固有の信仰の歩みにおいて、神のあがないの実りとなりました。マリアは「神がわたしに偉大なわざを行われた」(ルカ1・49)ことを信じ、その信仰を最後まで生き抜いたのです。それゆえすべての信仰者は、聖母マリアを「感嘆し、ほめたたえる」とともに、マリアの信仰に倣うことを願うのです。
第三に、教会は「彼女の希望に託し、喜びのうちに観想する」ということがあげられます。教会は、目に見える現実を超えて働きかけられる神のみ摂理に自らを委ねたマリアの希望に学ぶ共同体です。教会は、自分のすべてを神の恵みに委ねたマリアのように、神への信頼のうちに真の喜びを味わうのです。

(特集-聖母の月 1 2007/4/27)

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