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7. 9月11日以来のアメリカの報道態勢について

その日の画面からの衝撃は、あらゆる言葉を失わせるものであった。そして、マスコミは冷静かつ客観的にあの恐ろしい出来事を報道していった。犠牲者の家族、生存者、目撃者、警察官、消防士とのインタビュー等、すべてが生々しい悲劇であった。

テロリストの攻撃は、単なる政治的行動としてよりも、一般庶民への攻撃として強い印象を与えるものであった。

 

しかし、CNNテレビは、視聴者の不安を煽るようなあらゆる側面を報道し続けた。

 

そのようにして、あの9月11日の残虐な事件の様相は型にはめ込まれたものとなり、"アメリカの新しい戦争"と称する政府のポリシーを作り上げたと言える。一方では、アフガニスタンにあふれる難民の苦しみに関する情報は非常に限られたものであった。

このようなCNNの報道の流れは、政治的な確信からくるものか、それとも自らの評判のためか、私は疑問である。そして、なぜ世界中の多くのメディアはCNNと同じことをするのだろうか。

 

刻々と変化していく状況の中で、私たちは事実を知る必要性と権利を持っている。マスメディアは、事実をそのまま私たちに伝えるべき機関としてある。

 

しかしながら、戦争になると、報道の客観性はたちまち失われてゆき、メディアはただ政府によって言われたことだけを伝えるようになる‥‥このポリシーはアメリカ政府もタリバン政府も同じと言えよう。

 

言論の自由ということは、アメリカ合衆国の自由の基本的な要素であって、今アメリカ人がこのような懸念を表わすことは、愛国心に欠けるとは言えない。また、犠牲になった人々や家族に対して思いやりに欠けているとも言えないのである。

 
  ジョン・プンジェンテ (トロント イエズス会 コミュニケーション・プロジェクト 代表)

(特集-平和アピール 7 2001/12/7)

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