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フランシスコ・ザビエルからの手紙(10)

 この手紙でザビエルは、神から信仰、希望、信頼の賜物をいただくために、恐怖心をなくす手段として、自分自身に打ち克つ努力の必要性を説いています。

 「私は幾度も考えたことですが、イエズス会の学識ある多くの人びとがこの地方に来て、少なからず危険の伴う航海の深刻な苦難を体験すべきであると思います。多くの船が失われてゆく明らかに危険の〔伴う航海を〕あえてすることは、神を試みることであると思われるかもしれません。しかし私たちはそうとは考えません。なぜなら、私たちイエズス会員は学識を信頼するのではなく、主なる神を信頼して〔各自の心のうちに〕住んでおられる聖霊の導きに従うべきだからです。そうでなければ非常に大きな苦労をすることになります。私はいつも目の当たりに聖なるイグナチオ神父を見ながら、〔真実の〕イエズス会員になろうとする者は、自分自身に打ち克ち、神への信仰と希望、信頼を持つ者に妨げとなる恐怖心をなくすために、その手段をとる努力をしなければならないとしばしば聞かされた言葉を思い起こし、考えています。信仰、希望、信頼のすべては神の賜物ですけれど、その賜物は主なる神の思し召す者、通常の場合には、自分自身に打ち克つ努力をして、その手段をとる者にお与えになります。」

(特集-聖フランシスコ・ザビエル 10 2006/5/12)

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