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13. 神に向かってひたすらに Ⅰ
レオ税所七衛門敦朝
(さいしょしちえもんあつとも)
北郷三久は、命令に背いて洗礼を受けた者がいることを知って怒り、信仰を捨てさせようと迫害をさらに強化します。しかし棄教を迫る役人に「他のことならば、すべてに従いますが、救霊に関わることだけは受け入れることはできません」といつも夕凪のように穏やかに答え、また心配する三日三晩の親戚友人の説得にも心は変わることがありません。
遂に処刑が決定され、処刑人が来て切腹を命じますが、「キリシタンである私は、自らの命を立つことはできない」と断わり、妻と二人の息子に別れを告げ、友人パウロに「わたしは先に天国へ行き、そこで待っています。必ず来てください」と伝えています。家の前の辻を十字架と見たてて正座し、白装束を着、手にはロザリオを巻き、キリストのご受難のメダイを懐にいれ、静かに祈った後、首を切られました。1608年11月17日の朝、夜が明ける頃のことでした。
受洗から殉教まで、その間、僅か4ヶ月足らずでした。
「神の慈悲がその心に触れた人のようだった」(セルケイラ司教)
参考資料
・キリシタン地図を歩く(ドン・ボスコ社)
・ペトロ岐部と一八七殉教者(列聖列福特別委員会 編)
・恵みの風に帆をはって(ドン・ボスコ社)
(特集-日本の殉教者 13 2008/6/20)