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14. 関わりの大切さ

 私は一週間という期間をいだたき、岩手県釜石市の釜石教会をベースとしているボランティア活動に参加致しました。ベースでは、主に社会福祉協議会に要請があった仕事のお手伝いをしているほか、個人的にベース周辺の地域の方の自宅の掃除などのお手伝いをしていました。

 今回私がお手伝いをしたのは、自衛隊の方が設置して下さった子ども用の遊び場であるテントで子どもと遊ぶ、泥まみれになった写真の洗浄、及び、釜石ベースにある喫茶コーナーで被災者の方とお話しをするなどでした。このほか、ボランティア活動ではありませんが、現地を見る機会もいただきました。

 写真の洗浄で初めて泥にまみれた写真を手にした時、1枚の写真でも大切な思い出だということを強く感じました。山のように積んである写真を一束づつ水につけ、一枚一枚はがしながら、私にできたのは数えることができるほどの枚数でしたが、一枚でも多く持ち主の方の手のもとに戻るように祈りと願いを込めて作業を行いました。

 また、喫茶コーナーでは被災者の方から、ご自身の思いや物資や支援金が平等に配布されていない現状を伺いました。すべてを流されて失ってしまっている中で、喫茶に来てたくさんのものをいただいて帰っていく方もおられました。ボランティア活動の中で、私の心に一番残っているのは、被災者の方の頑張っておられる姿でした。アパートには入れたけどその後全く支援がない、仮設住宅も一度断ると二度と入れてもらえない、物資配給などの情報も入ってこない、その中で本当に精一杯生きておられました。そして、このような被災者を助けているのは、同じ被災者でした。お互いに励まし合い、情報を交換し合い、支え合って生きている被災者の姿がありました。

 振り返ってみると、少しでも何か助けになっただろうかと思うほど本当に少しのお手伝いでした。私の方がたくさん励まされ、元気をいただきました。今回のボランティアを通して、人と人との関わりの大切さ、大きさをとても感じました。物を通してではなく、直接に人と人が直接関わりをもつことにより、何か温かいもの、そこでしか得ることのできないものがあるのでないかと思いました。

 日常の生活に戻り、被災者の方のために思い出して祈ることはずっと続けています。私に今できることは、具体的に祈りだと思うからです。少しづつでも、復興が進みますように、物資や支援金が平等に配布されますように祈り続けたいと思います。

東京在住 20代 女性

(特集-だれかのためにできること14 2011/9/30)

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