こころの散歩
夜明け
夜明け
先生は弟子達に尋ねました。
「夜明けの訪れはどうして分かるか知っていますか。」
弟子の一人は答えました。
「先生、遠くから犬と羊が見分けられる時だと思います。」
先生は「いいえ」と答えました。
もう一人の弟子は、
「先生、遠くから桃とイチジクの木を区別できる時です。」
でも、先生はまた「いいえ」と答えました。
しつこく迫ってくる弟子達に先生はついに答えました。
「それは人を、平凡な人の顔を見つめ、彼が私の兄弟であると悟った時こそ、夜明け前の薄明かりです。もしそうでなければ、日の照るどんな時間であっても、いつも夜でしょう。」