こころの散歩

どれくらい

どれくらい

田舎の貧しい馬車屋の馬車が壊れて、
みんな「気の毒だ」と言った。
クェーカー教徒の老人が一歩前に出て
紙幣一枚を馬車屋の手に握らせ、言った
「わたしは五ポンド気の毒に思っている
皆さんはどれくらい気の毒だと思うかね。」
廻した帽子にたちまち馬車を買う程の金が集まった。

河野 進 詩集 より
画: 久保 茂太

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