農夫
ある王子が農夫の娘を愛した。王子はその娘を王宮に迎えようとしたが、家族から引き離すことなど思うとしのびなく断念した。 といって王子が変装してごまかすことも欲しなかった。もちろん王子らしく彼女の崇敬と讃美をまともに受けることもできたはずだが王子はそれも望まなかった。
だから王子は正真正銘の農夫となって、自ら農夫がなめる労苦に耐えながら、娘への愛を貫き、娘の愛を受けることとした。
キエルケゴール 『断章』
幸せな人
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