こころの散歩

ある卒業

ある卒業

 インドのある村の少年は英雄になりたいと思っていました。部族の戦士でリーダーでもある男達の一人が、少年に狩と魚釣りと弓矢で射ることを教えてくれました。
 そして実際に少年が初めて弓と矢を作るという大事な日になりました。それは技術と忍耐の要る作業で、最初から最後まで全部独りでやり通さなければなりません。先ず材料にする木を選ぶことです。少年が木を選ぶ作業に取り掛かろうとすると、父親は少年に2つのことを言いました。
 第一、一旦見送った木は、再考してはいけない。
 第二、一旦決めた木は、変えてはいけない。
 少年は、朝早く出かけて行き、慎重に一本また一本と木を見て回りました。ふと気がつくと森のはずれ近くまで来てしまい、もう木はあまり残っていません。しかしその中から選ぶほかはなく、そのなかから選択しました。
 しかし、彼が選んだ若い木を家に持ちかえると、父親は、「これは一番いい木じゃないな、今日経験したことを思い返して、そこから何を学んだのか話してごらん」と言ました。少年は考え抜いた挙句、父親に言いました。「お父さん、一度決めたことは変えられないということです。」

 あなたの人生での選びが、ベストとは言えないことがあるかもしれない。けれどとにかく自分が選んだものでやってみる。そしてそこから何かを作り上げることです。

  

ページ上部へ戻る