こころの散歩

ちから

ちから

目を覚ますと
雨の音がしている
もうみんな死んだと思っていたこおろぎが
かすかにいくつか鳴いている
そのこえをきいていると
じっと堪えて
生きてゆかねばならぬという
かなしみを越えたちからが
泉のようにわいてくる

「坂村真民全詩集・第二巻」(大東出版社)

  

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