こころの散歩
らくだと付きあう方法
らくだと付きあう方法
砂漠を水無しで旅していくらくだは、その気性の荒々しさと復讐心があることで知られています。らくだは何か不当な扱いを受けると、やり返さないと治まらないのです。そこで、らくだで旅をする人たちやらくだをしょっちゅう扱う人たちは、周りの人を傷つけないうちに、このらくだの怒りを治める、そのコツを心得ているのです。
飼い主がなにかの手違いでらくだを怒らせてしまった時は、とっさに物陰に隠れてしまいます。でもらくだからあまり離れてはいけません。そして自分の着物を取って、道に投げるのです。ただ投げるのではいけません。ちょうど人が寝ているようなかっこうに投げるのです。らくだはそれを見つけると、近寄ってじっと見て、匂いをかいでいます。自分に危害を加えようとした相手の物か確かめて、それから、やおらこの着物の山に跳びかかり、蹴散らし、思いっきり踏みつけまくります。この激しい怒りの発作みたいな行動が終わると、らくだは気が済んだかのようにけろっとして、再び歩き始めるのです。すると、らくだの飼い主は物陰から出てきて、この大きな家畜によじ登り、何事もなかったかのように旅を続けるのです。
“Tonne”より