こころの散歩

わたしは木を切る

わたしは木を切る

 〈禅師〉が〈悟り〉に達したとき、彼はそれをことほぐため、次のように書きました。

 「おお驚嘆すべき不思議よ、
 わたしは木を切る!
 わたしは井戸から水をくむ!」

 ほとんどの人にとって、井戸から水をくんだり、木を切ったりするような行為は少しも驚嘆すべきことではありません。悟りの後でも何ひとつ変わりはしません。すべてがもとのままです。あなたの心が驚きに満ちあふれているだけです。

 これが「観想」の本質です。〈驚き〉の意味です。

 これは子供の特権です。子供は何かにつけて驚きの目を見はります。だから子供は、ごく自然に、わが家にいるように〈天国〉にいるのです。

アントニー・デ・メロ 著 / 谷口 正子 訳 「小鳥の歌」(女子パウロ会)より
  

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