こころの散歩

カミソリのように

カミソリのように

 若い理容師さんの、ごく短い投稿で、およそ次のようなことが書かれていた。
 「よく“カミソリのように鋭い”とか、“カミソリの刃のようによく切れる”とか言われますが、私たち理容師を職とする者にはあまりうれしい言葉ではありません。ひげそりに使う日本カミソリは、確かによく切れる鋭い刃にはちがいありません。しかし、理容師にとって大切なことは、カミソリの刃の当て方が柔らかく、そして温かく感じられることです。」
 とてもよいことを教えられたようで、うれしくなり、今もしばしば思い出される言葉になった。頭や口の鋭い人は、人を傷つけやすい。ほんとうによい頭、よい言葉には、柔らかさと、ぬくもりがある。

奥村 一郎 著 「断想」(女子パウロ会)より
  

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