こころの散歩

パレスチナの二つの湖

パレスチナの二つの湖

 パレスチナには二つの湖があります。この二つは様子は全く違います。
 一つはガリラヤ湖です。この湖は大きく、きれいな水をたたえており、水を飲むこともできます。魚が泳ぎ、人は水遊びを楽しみます。周りは緑の畑と庭で囲まれています。その周辺にはたくさんの家が建っているのです。イエスもこの湖を何度も渡って行かれました。
 もう一つは死海と呼ばれ、その様子は、まさに名前のとおりで、何もかもがここでは死んでいます。水は塩分が強すぎ、飲むと病気になります。岸辺には何も生えていません。嫌な匂いがするので近くに住みたいとは思う人は誰もいません。
 興味深いことには、この二つの湖には、同じヨルダン川が流れ込んでいるのです。では、これだけの違いの原因は何でしょう。 一つの湖は流れ込む水を留めないで流して渡していますが、一方は流れ込む水を溜め込んでいるのです。
 ヨルダン川は、ガリラヤ湖の上手に流れこみ、下手から流れ出しています。湖は水を利用し、他のものも使えるようにとその水を手放しています。次いで、ヨルダン川は死海に流れ込みます。しかし、そこからは水が流れ出していないのです。死海は、言うなれば、自分だけのために溜め込んでしまっているのです。このことがそこに死をもたらしているのです。死海は、手に入れた後、決して手放そうとはしていないのです。

“John Marsabella”より
  

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