こころの散歩

ヒトデに聞きなさい

ヒトデに聞きなさい

 ある作家が海のほとりに行くと、一人の青年が、砂浜で波が運んでくるヒトデを集めては再び海に戻していた。青年は、浅いところでは、ヒトデが死んでしまうと知っていたからだ。作家は青年に「おまえがやっていることは、どんな意味があるのか?太平洋には浅いところで死んでいくヒトデが何千匹もいるんだから、おまえがすべてのヒトデを救うことなんてできない話だよ。」と言った。すると青年は「なぜ私が救ったヒトデにそのことを聞いてみないのですか。」と答えた。その後、浜辺には、長い間一緒にヒトデを救っている二人の姿があった。
 すべてをすることは不可能だけれど、できることをすることは可能なのです。

画: 白石 龍司
  

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