こころの散歩
マリアと会う場所
マリアと会う場所
隠修士は祈りのときに、マリアの声を聞きました。マリアは遠く離れた山の頂上で、次の日の夕方に会う約束をしました。
隠修士は早朝、山への道を歩き始めました。山へ登るには一日かかります。彼はマリアとの約束に間に合うように、時間通り登りたいと考えていました。
谷を越えたとき、近くの森で起こった火事を必死になって消し止めようとしていた農夫に出会いました。火は作物と農夫の家にまで迫っていました。彼らは隠修士にも助けを頼みました。隠修士はこの差し迫った状況と自分が手伝うことができないことにひどい苦しみを感じました。彼はマリアとの約束があったので、遅れたり、約束に背くことはできなかったのです。マリアにこの農夫たちを助けてほしいと祈りながら、隠修士はとても残念に思いました。
しかし、まっすぐに山へ向かおうとしていたところ、その道に森の火事が迫っていたので、彼はそこを逃げ去りました。山をぐるっと回って行かなければなりませんでした。登りは険しい道のりでしたが、やっとのことで彼は汗をかきながら頂上に辿り着くことができました。
彼は感動と期待でいっぱいでした。太陽が沈みました。彼は時刻通りにマリアとの約束の場所へ来れたことを感謝して、天に向かって祈りました。
彼はそこで、いろいろな方向を見ながらマリアを待ち続けましたが、とうとうマリアは現れませんでした。ついに彼は岩の上にある紙を見つけました。それにはこう書かれてありました。
「ごめんなさい。私は火事を消そうとしている農夫を手伝っていますので、ここには来れないのです。」
そのとき、隠修士はマリアと会う場所がどこだったかを悟ったのです。
画: Virgen de Guadalupe, www.encuentra.com