こころの散歩
中国のビジネスマン
中国のビジネスマン
一代で財を成した中国人のビジネスマンがもはや自分は年老いたとさとり、引退を決意した。そこで、3人の息子を呼んで話した。
「わしはこの事業を分割して、お前たち3人全員に譲るというようなことはせん。わしが知りたいのは、お前たちの中で誰が一番の商売人かということだ。そこで、これからお前たち3人をテストする。」 老人はひとりひとりに10ドルづつ手渡した。そのお金でめいめいが何かを買って、このがらんとした大部屋を一杯にするというのが課題だった。この部屋を一杯にできたものが勝者になるという趣向だ。
最初の息子は出かけていって、葉がいっぱいに茂った大きな木を買った。それを切り倒して部屋の中に運び込ませると部屋の半分が一杯になった。
2番目の息子も出かけていって、農場主が牧場から刈り取ったばかりの牧草を全部買い取った。それを部屋に持ち込むと部屋はほぼ一杯になった。
3番目の息子は賢い子だった。この子は雑貨屋で25セントのろうそくを1本買った。夕方暗くなると、部屋の真ん中にろうそくを置いて火を灯した。部屋は小さなろうそくの明かりで一杯になり、外にまであふれた。
この勝負、勝者は3番目の息子だった。
“Herb Trueblood”より