こころの散歩
何でもいいから感謝
何でもいいから感謝
将来を嘱望されていた青年がアメリカで事故にあい、半身不随の重症を負いました。
昏睡(こんすい)からさめてからは絶望の毎日でした。
見舞いに訪れた神父さんが、「あぁ、命が助かってよかったね。こんな素敵なことはないじゃないか。二人でお祈りをしよう」と、ニコニコして言いました。
こんな体になって、何を祈ったらいいのかわからないと言った彼に、「何でもいいから感謝をすること、感謝こそ祈りなんだよ」とやさしく言いました。
そして、二人で声をそろえてお祈りを始めました。
今日も生きる命をありがとう。
今日も私のまわりにたくさんの人をおいてくれてありがとう。
今日も私に丈夫な半身を与えてくれてありがとう、心を与えてくれてありがとう。
感謝をし始めたら、自分のまわりに感謝があふれているのに青年は気づきました。
それ以来、車椅子生活の自分を不幸だと思ったことはない、それはあのときの祈りのお陰だと、彼は言うのです。
鈴木 秀子 著 「今日幸せになる171の言葉」(海竜社)より
画: 軽部 修司