こころの散歩

全てのものが失われたわけではない

全てのものが失われたわけではない

 南ドイツのオーバーアマガウの有名なキリスト受難劇、野外で行われたこの劇を何千人もの人々が見ていました。
 この出来事はユダの自責と絶望の場面で起こりました。

 ユダは自分が反逆を犯した事を悔いていましたが、大祭司は彼をあざけっていました。
 裏切り者のユダは、自殺しようがと考え始め嘆きます。
 「私はどこへ行ったらいいのだろう。全てのものは失われてしまった。」

 観客は張りつめた沈黙の中で、絶望のうちに立ち去ろうとするユダを見守っています。
 突然、小さな女の子の声が響き渡りました。
 「ママ、どうしてユダはマリア様の所に行かないの?」

  

ページ上部へ戻る