こころの散歩

動物たちのおしゃべり

動物たちのおしゃべり

 動物たちが集まって、人間はいつも彼らから何かを持っていってしまう、と不平を言いはじめました。
 「人間はわたしのミルクをとるわ」と牛が言いました。
 「人間はわたしの卵をとるわ」とめんどりが言いました。
 「やつらはベーコンを作るためにぼくの肉をとる」と豚が言いました。
 「やつらは油をとるためにぼくを捕獲する」と、鯨が言いました。

 その他、その他。

 最後にかたつむりが話しました。「ぼくは人間たちが他のどんなものよりも持ちたがっているものを持っているよ。もしもできればさっさと持っていきたがるものさ。それは<時間>だよ。」

 あなたは、自分で持ちたいと思いさえすれば、世界中の時間が持てるのです。それを妨げているのは何でしょう?

アントニー・デ・メロ 著 / 谷口 正子 訳 「小鳥の歌」(女子パウロ会)より
  

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