こころの散歩

太陽の光の中で

太陽の光の中で

 ロンドンの裏通りの薄暗いスラム街に一人の少女が住んでいました。この少女がお花のコンテストで最優秀賞を獲得したのです。
 審査員は不思議に思って、あのような陰気な場所でどうやってお花を枯らさずに育てられたのかねと尋ねました。
 少女は “秘密”を打ち明けました。
 裏通りには一筋の陽の光が差し込んでくるのです。光が差し込んでくると直ぐにお花の鉢をその光の真ん中に置くのです。そして光が移動したら、それに合わせて自分のお花も移動していくのです。
 こうしてお花には一日中陽の光が当たっていたのでした。

“Bruno Hagspiel”より
  

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