こころの散歩
娘を拒んだ父親
娘を拒んだ父親
オー・ヘンリーはお母さんを亡くした小さな少女の話を残している。彼女の父親は毎日仕事から帰ると、椅子にどっかと腰を下ろし、上着を脱ぎ、新聞を広げ、パイプに火をつけて、足をマントルピースに投げ出すのが常だった。
小さな少女が部屋に入ってきて、一緒に遊んでちょうだい。だってさびしかったんだものと言うと、父親は疲れているんだ、邪魔をしないでくれ。外に行って遊びなさいと言うのだった。それで少女はいつも外の通りで遊んでいた。結果として、彼女は街に目が向くようになり、そしてお決まりのことが起こった。数年経って、彼女は亡くなり、その魂は天国にやってきた。
ペトロが彼女を見つけて、イエスに尋ねた。「主よ、よからぬ行いをしてきた娘がおりますが、この娘は地獄へ直行させてよろしいでしょうか?」
イエスは答えてやさしく言った。「いや、その娘を中に入れておやりなさい。」そして、厳しい目になって付け加えて言った。「この娘と一緒に遊んであげることを拒んで、外の通りに追いやった男を見つけ出し、その男を地獄へ送るのです。」
“MORE STORIES of LIFE and LAUGHTER”Fr.Bel San Luis, SVD
画: 泉 類治