こころの散歩
寝ずの番
寝ずの番
イエスが生まれたとき、その知らせをいちばん最初に受けたのは、夜通し羊の群れの番をしていた羊飼いたちでした。
あまり目立つこともなく、位が高かったわけでもないこの人びとが、いちばん最初に神の救いの知らせを受けたのです。日常の努めの真っただ中で彼らは喜びの知らせを受けたのです。
「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなた方のために救い主がお生まれになった。あなた方は、布にくるまってかいば桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなた方へのしるしである。」
布にくるまって、かいば桶に寝ている、乳飲み子、しるしとして告げられたこの三つは、救い主を示すものとしては、あまりピンとこないように感じます。
乳飲み子が人を救う力を持っているのか、救い主ならどうしてもう少しましな生まれ方をしないのか、あるいは、どのようにしてこの人はわたしたちを救うのか、このような疑問を羊飼いたちは感じたのではないでしょうか。
しかし、彼らは、ああでもない、こうでもない、と思案し議論することに時間を費やしはしませんでした。
「さあ、ベツレヘムに行こう。主が知らせてくださったそのできごとを見ようではないか」といって、彼らは急いで出かけて行きました。そしてイエスを見つけました。
どのようにして救いがもたらされるのか、わたしたちにはわかりません。けれども、その呼びかけに答えて、求められたことを始めていようではありませんか。きっと、それが糸口なのです。
(ルカによる福音2章8〜21節参照)