こころの散歩
小悪魔の回心
小悪魔の回心
子どもの時、私は小さな悪魔のようでした。両親にとっては悪夢の種でした。学校に行く代わりに、よく友達と遊んでいました。
ある日、父が、授業を受けているはずの自分の息子とその仲間たちが、りんごを盗んでいるところを見ました。父が「動くな!」と命令した時、仲間たちは皆走って見えなくなり、動けなくなった私一人が取り残されました。父は近づいてきましたが、叱りもせず、殴りもしませんでした。強く私の腕をつかんで、町に連れて行き、教会に入ってマリア様の祭壇に真っ直ぐに進み、ひざまずきました。私も無意識の内に、父のそばにひざまずきました。父はマリア様に目を上げて、祈りました。「私たちの母なる聖マリア、私がどれほど苦労して、恥知らずのこの息子を教育してきたか、あなたはご存知です。今、もうどうすればよいかわかりません。あなたにお任せします。」そして今度は私に言いました。「好きなようにしなさい。」私は聖母マリアに目を上げて、回心することを決心し、聖母マリアの助けを願いました。
こうして当時のりんご泥棒が、今、皆さんに愛される司教となったのです。
(カナダのある司教)