こころの散歩
嵐をしずめてくださる方
嵐をしずめてくださる方
偉大な神学者であった聖トマス・アクイナスが9歳の時、両親はドミニコ会の修道院に彼を預けました。
ある夜、大きな嵐があった時、トマスの姿が見えなくなりました。
子どもの世話をしていた修道士たちは心配して彼を探し回り、とうとう聖堂に彼が聖櫃を抱いてじっとしているのを見つけました。
修道士たちがトマスに「どうしてこんなことをしているのか」と聞くと、トマスは、「嵐が怖くなって、イエス様が嵐をしずめてくれたことを思い出して、ここに来ました」と答えました。
後にトマスはこのような言葉を残しています。「図書館で神学の本を読むよりも、聖櫃の前でひざまずく方が、神を知ることができる」と。
写真: 馬 裕国