こころの散歩

必要以上のもの

必要以上のもの

 ぼくは、タンザニアの出身で、目がほとんどみえません。
 ぼくが勉強できるように助けてくれている里親は、マラリアも完治できるようにと、注射のために1200シリングくれました。
 薬局に行く途中、一人の女性に出会い、彼女がどうしても必要としているものがあるのが分かりました。ポケットの中のお金は、ぼくにも必要でしたが、彼女の中のイエス様を助けなければと感じて、200シリングあげました。
 薬局につくと、そこにはとても困っているおばあさんがいました。手にいれなければならない薬があるのに、お金が足りなかったのです。それで、200シリングあげました。
 そうしているうちに、僕もこの二人と同じ状況に置かれました。
 400シリング足りなくなったのです。でも神様は、いつも僕を見守ってくださり、すべてをご存知なのだと確信していました。
 薬局に入ると一人の友達に会いました。挨拶すると、「どうしてこんな所にいるのか」と聞くのでシンプルに「最近とても具合が悪くて注射を続けているのだけれど、今日が注射の最後の日で、それを買うためにここに来たのだ」と言いました。
 すると、友達は、事情を何も知らないのに、ぼくに500シリングを手渡してくれました。僕の心に大きな喜びがあふれました。結局、必要を満たしてまだ余るだけのお金を手にすることになりました。
 このことがあって以来、僕は、持っているものをすべて人と分かち合うことを、決して恐れてはならないのだと新たに確信しました。神様は、限りない愛をもって、僕たちみんなのことを思っていて下さるからです。

「キアラ・ルービックとフォコラーレの小さき花」(サンパウロ)より
  

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