成長したい

　成長というのはなかなかデリケートな問題です。草木や花と同じように、人間が成長するにも適切な条件が必要ですが、どんな具合に伸びているかと地面を絶えず掘り返す必要はありません。そんなふうに見張ってばかりいては成長が台なしになってしまいます。
　今起こりつつあることは目に見えなくても、時がたてば形になってきます。思いもよらぬときに自分が成長したと気づくものです。自分に無理をさせないように――霊的指導者から最もよく言われることはこれでしょう。
　ただし、成長したい、自分が生活している環境から何かを学びたい、もっと自分らしくありたい、もっと神に近づきたいと望むのは大切なことです。私たちは現実の行動や気分や習慣の中で、今のままの自分にとどまるか、あるいは心を開いて変化を受け入れるかという選択に常に迫られているのですから。進歩するためには何が必要なのでしょう。サーロフの聖セラフィームは言っています。「決断のみ」と。成長したいという決断です。