こころの散歩

母の心

母の心

 東方の古い伝説によると、神は天地創造を終えられた時、鳥は空で歌い、魚は水の中で泳ぎ、草地は花で彩られていました。天地創造を完成するのに欠けていたのは人間存在だけでした。そこには、物質的、精神的な被造物を結びつけるような存在が必要だったのです。神は男性を造るために、ナイル川の川岸へ行きました。そして、粘土のかたまりを取り上げたところ、その泥の中にいた蟹が、創造主の手をはさみました。神はご自分の手をご覧になって、言われました。 「これは男性には十分すぎる」
 そこで、神はご自分の血の混ざった粘土で、「母の心」をお造りになられました。

ホアン・カトレット / 須沢 かおり 編著 「マリアのたとえ話」(新世社より)
写真: 馬 裕国
  

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