こころの散歩
沈黙の価値
沈黙の価値
ある日、農家の主人は貯蔵庫で季節の収穫を積み上げている時に、時計をなくしてしまいました。主人はこのいまいましい出来事にわめき散らしながら、ランプをかざして床の上のおが屑を熊手で引っ掻き回しました。仲間も加わって一緒に探しましたけれど、大騒ぎしたのに時計は見つかりませんでした。
大人たちがお昼ご飯を食べに出て行った後で、子供が貯蔵庫にやってきました。そしてなんなく時計を見つけたのでした。驚いた主人は、どうやって見つけたんだと尋ねると、子供は言いました。「簡単だよ。おが屑の上に寝ころがって、じっとしていたら、時計のチックタックという音が聞こえたんだよ。」
“Bruno Hagspiel”より