こころの散歩

流れのそばで

流れのそばで

坂村 真民

久しぶりに川にいきました
流れのそばで
流れの音をきいていました
命の音と言うのでしょうか
ささやきあって流れてゆく
それは楽しい声でした
楽しい声をきくのは
なんといいことでしょう
わたしは拾った石を洗い
古人のことばなどを
朗読したりなどして
川と呼吸を合わせ
一人、喜びにひたっていました
西へ沈んでゆく日が
原始のように静かでした

「坂村 真民 全詩集 第三巻」(大東出版社)より
  

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