こころの散歩

生命(いのち)の流れ

生命(いのち)の流れ

 昼となく夜となく わたしの血管をながれる同じ生命(いのち)の流れが、世界をつらぬいて流れ、旋律的(リズミカル)に鼓動をうちながら 躍動している。
 その同じ生命が 大地の塵のなかをかけめぐり、無数の草の葉のなかに歓びとなって萌え出で、木の葉や花々のざわめく波となってくだける。
 その同じ生命が 生と死の海の揺り籠のなかで、潮の満ち干につれて ゆられている。
 この生命の世界に触れると わたしの手足は輝きわたるかに思われる。そして、いまこの刹那にも、幾世代の生命の鼓動が わたしの血のなかに脈打っているという思いから、わたしの誇りは湧きおこる。
――R.タゴール

「ギタンジャリ」レクス文庫 森本達雄 訳 より
  

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