こころの散歩
翼の中で
翼の中で
2、3年前のこと、アメリカ合衆国のイエローストーン国立公園の火事の後で、雑誌に出た次の記事は、人々を注目させました。
この火事の消火後、被害状況を視察した監視人は、ある木の下に焼けた野鳥の死骸を見つけました。ところが、その鳥の死んでいる姿が少し不自然に見えました。つまり飛んで逃げようとする形ではなく、障害物か何かで逃げられなかった様子でもなくて、何かを抱いている様子で焼けていたのでした。それで監視人は不思議に思って、軽く棒でさわってみました。その時、翼の中から3羽の生きている雛鳥が現れたのです。
おそらくその親鳥は、まだ飛ぶことのできなかった雛鳥を見放すことなく、木の上に残すことは危ないとわかって、1匹づつ地上に運んで自分の翼で守りながら雛と共に残ったにちがいありません。