蟻の世界に魅せられて

　ある日、私は蟻塚のそばに立って、蟻の動きを眺めていました。蟻たちはあっちに、こっちにと向かい忙しそうに走り回っていました。どの蟻もどこに行くのか分かっており、どの蟻もそれぞれ自分の仕事があり、何をしなければならないかわきまえているようです。でも誰が皆を統率しているのだろう？と不思議に思いました。蟻も蜂のように女王がいると聞いたことがあります。確かに、卵を運んでいる蟻も、食べ物を運んでいる蟻もいる。蟻塚を守っている兵隊の蟻もいる。　ということは、蟻なりの統治機関があるようだ。でも彼らはどのようにコミュニケーションをし、話し合い、統率できるわけ？　そこら辺のことは、どうしたら分かるのだろう・・？と不思議に思ったのです。
　その時、ふと閃いたのです。もしできるなら、蟻になって蟻の世界に飛び込んで行けば・・・そうすれば分かる。　
　ということは、神が人間になったのもそういう訳だったのか・・・・。

“Joseph Connor”より