こころの散歩

西の空が茜色に染まる頃

西の空が茜色に染まる頃

西の空が茜色に染まる頃 遠く坂の向こうから
おふくろのリヤカー引く音が 聞こえてくる
1キロ束ねて7円の 廃品集めて回るのが
昼も食べずに働いた おふくろの仕事

そんなおふくろの仕事が 恥ずかしくて恥ずかしくて
誰にも言えなかった あの頃を思い出す

きつさ辛さを流して 頑張ったと笑い飛ばす
小さな体で 力一杯
たくましく生きた おふくろを
恥ずかしく思っていた事の 悔しさをあなたは
あなたは分かってくれるだろうか

暑さで道がゆがんでも チキリ持つ手が凍っても
雨の日以外は休まない おふくろの仕事

そんなおふくろの手が今 小さくしぼんでも
刻まれたしわの年月が 私に光を放つ

人の痛み受け止め 人と分かりあうたびに
裸で自分の思い 語れたとき
おふくろが確かに 歩いてきた道が
光り輝き始めたことの 喜びをあなたは
あなたは分かってくれるだろうか

人を信じきれずに 唇かみしめて
かくした涙は 数えきれず
一人で歩いて きた道を
仲間と一緒に歩いていくことの 嬉しさをあなたは
あなたは分かってくれるだろうか

西の空が茜色に染まる頃 遠く坂の向こうから
おふくろのリヤカー引く音が 聞こえてくる

詞: 原口 ゆか / 曲: 田中 もとゆき 「西の空が茜色に染まる頃」
写真: 山野内 倫昭
  

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