こころの散歩
誰かが訪れたなら
誰かが訪れたなら
誰かが寒さに震えて戸口を叩いているのは、
あなたが、毛布を持っているからです。
誰かが喜びを携えて戸口を叩いているのは、
あなたが、ほほ笑みを持っているからです。
誰かが涙をたたえて戸口を叩いているのは、
あなたが、慰めを持っているからです。
誰かが痛みをもって戸口を叩いているのは、
あなたが、治療薬を持っているからです。
誰かが話したくて戸口を叩いているのは、
あなたが、聴く耳を持っているからです。
誰かがお腹をすかして戸口を叩いているのは、
あなたが、食べ物を持っているからです。
誰かが孤独に打ちひしがれて戸口を叩いているのは、
あなたの抱擁をもらうためです。
誰かが疑問をもって戸口を叩いているのは、
あなたが、道を知っているからです。
誰かが不安のうちに戸口を叩いているのは、
あなたに、安らぎがあるからです。
誰かが落胆して戸口を叩いているのは、
あなたが、激励の言葉を持っているからです。
誰かが秘密を背負って戸口を叩いているのは、
あなたに、共に担ってもらうためです。
誰かが騒がしい心で戸口を叩いているのは、
あなたの瞑想を、味わうためです。
誰かが信頼をもって戸口を叩いているのは、
あなたが、青空の心を持っているからです。
誰かが恐れに捕らわれて戸口を叩いているのは、
あなたが、愛を持っているからです。
写真: 山野内 倫昭