こころの散歩
迷子の子羊
迷子の子羊
私は、農場のそばで子羊を抱えて小道を歩いて来る農夫に出会いました。その人は「こいつは迷子の子羊なのさ。」と言いました。
そこで私は不思議に思って「フェンスで囲ってあるのに、どうやって外に出てしまうんですかね?」と尋ねてみました。すると農夫は「こいつらは草を食べているうちに外に出ちまうんですよ。下を向いて、こっちの草、あっちの草と食いながら歩き回っているんです。そのうちある時、たまたまフェンスの穴の所に来ちまう、ところが帰りの穴は絶対に見つからないというわけだね。」と教えてくれました。
考えてみれば、これは私たちの生活の中にもありそうな話です。食べているうちに迷子になってしまう。働いているうちに迷子になってしまう。頭を上げて周囲を見回すことをしないんですね。ひとつの望み、ひとつの夢から他の夢へとさまよっている。地面の穴の中に頭を突っ込んでしまっているので、再び戻って来る道が見えない。だから、いつも見回りに来て、迷子を拾ってくれる神の羊飼いのことを神さまに感謝しなければ。
“Eugene E.Schmidt”より