こころの散歩

鎌倉の大仏

鎌倉の大仏

 鎌倉の大仏は、かつて大伽藍(がらん)の中に安置されていました。それが猛烈な台風に破壊されて以来、大仏は数十年の間、野ざらし状態でした。

 ある僧侶が、大伽藍再建を悲願とし、募金活動を開始しましたが、ある晩、大仏が夢に現れてこう告げました。
 「大伽藍は牢獄であって、私の住まいではない。このまま人の世の痛ましさにさらされるままにしておいてほしい。私のいるべき場所はここをおいてほかにないのだから。」

  
  

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