こころの散歩
雨が降りませんように
雨が降りませんように
すこしばかりの晴れ間を見て、急いで洗濯物を干しに出た。三歳の娘もあとからついてきた。
「マリちゃん、お洗濯物が乾くまで雨が降りませんように、いっしょにマリアさまにお祈りしましょうネ。きっと、聞きいれてくださるわ」といって、二人で手を合わせ、「ロザリオの祈り」を一生懸命祈り始めた。
すると、途端にポツリポツリと雨つゆが落ちてきた。
一瞬、「ああ、どうしよう!?・・・・・小さい娘に嘘をついてしまって」と、マリちゃんのほうを見ると、「アッ! お百姓さんが先に雨をおねがいしちゃったのネ」と、嬉しそうにいう。
思わぬ答えにホッとして胸をなでおろした。
奥村 一郎 著 「祈りの心――愛の息吹――」(海竜社)より