こころの散歩
頭のいいかえる
頭のいいかえる
池にかえるが一匹いました。
かえるは、池にやって来た白鳥に「どうすれば、この寒い厳しい冬から抜け出せるだろう?」とききました。
白鳥は、「一緒に南へ飛んでいけばいいじゃないか」と答えましたが、かえるは飛ぶことができません。
そこで、かえるは言いました。「ぼくにまかせろよ。頭いいんだからさ。」
そして、竹の棒を持ってきて、その両側を白鳥の足で捉まえて欲しいと、頼みました。かえるは、竹を口でくわえました。こうして、かえるは白鳥と一緒に飛び始めたのです。
まもなく、小さな町の上にさしかかりました。
その町の人々は、驚いて叫び、尋ねました。「あれは、いったいだれが考えたんだろう?!」
それを聞いたかえるは、自慢げに、叫びました。「ぼくだよ!」
口を開けたとたん、かえるは地面に落ちてしまいました。
(作者不詳)
画: フェリペ・オガディス