飢饉のうわさ
1946年の夏、飢饉の来襲のうわさが南アメリカのある地域に、燎原(りょうげん)の火のごとく広がった。実際には作物は順調に成育しており、天候も申し分なく、この調子では豊作が見込まれるという状況であった。だがうわさに動転した二万人からの小規模農家は耕作をあきらめ、都市部へと流出した。その結果、作物はダメになり、数千人が餓死した。こうして、飢饉のうわさは現実となった。
画: 白石 龍司
幸せな人
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