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3. ロザリオの神秘1

 ロザリオの神秘は救い主と聖母の生涯の二十の主な出来事からなります。
 まず聖母へお告げから始まってイエス誕生、幼少時代までの五つの出来事を喜びの神秘(受肉の神秘)、キリストがヨルダン川で洗礼を受けてから最後の晩餐までの五つの出来事を光の神秘(啓示の神秘)、ゲッセマネでの苦しみの祈りから十字架の死までの五つの出来事を苦しみの神秘(受難の神秘)、キリストの復活後の五つの出来事を栄えの神秘(復活の神秘)として全体を四つに分けています。それぞれの神秘について、前教皇ヨハネ・パウロ二世の使徒的書簡をもとに、簡単に見てみましょう。

〈喜びの神秘〉
 この神秘は、受肉の出来事から生じる喜びを特徴としています。
 最初のお告げで、乙女マリアに対するガブリエルの挨拶は、救い主が生まれる喜びへの招きです。エリザベト訪問を特徴づけているのも歓喜ですし、さらに救い主の誕生は大きな喜びとして告げ知らされます。最後の二つの神秘は、喜びの雰囲気を残しつつ、これから起こる悲劇的な出来事を前もって示します。その意味で、聖母マリアの喜びは一時的な、その場限りの喜びではなく、苦しみがあっても、全てを見通しておられる神と共にある内的な喜び、心の奥深くから湧き出る喜びだったと言えるでしょう。
 まだ幼いイエスと共に、母として歩み始めたマリアの心を満たした、深く大きな喜びを、自分の心にも思い起こしてみましょう。
 第一の神秘…神のお告げを黙想しましょう
 第二の神秘…マリアがエリザベトを訪問したことを黙想しましょう
 第三の神秘…イエスのご降誕を黙想しましょう
 第四の神秘…神殿で奉献されたイエスを黙想しましょう
 第五の神秘…行方不明になったイエスが神殿で見つかったことを黙想しましょう

〈光の神秘〉
 2002年10月から2003年10月を「ロザリオの年」として制定された前教皇ヨハネ・パウロ二世は、「キリストの公生活の特に重要な出来事について黙想することを勧めたい」として、ロザリオにキリストの公生活の五つの神秘を新たに加えられました。それが光の神秘です。
 世の光であるキリストが現れるのは主に公生活の間です。これらの神秘の中で、カナの出来事を除けば、聖母マリアの存在は陰に隠れています。けれども聖母マリアはある意味で、カナで果たした役割を、キリストの公生活中果たし続けていたといえるでしょう。「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください。」(ヨハネ2・5)
 キリストの公生活を黙想しながら、聖母マリアのイエスへの信頼の心を思い起こしてみましょう。聖母の偉大な勧めの言葉を通して、今私が何をすべきかを教えて下さる主の声に耳を澄ますことは大切なことではないでしょうか。
 第一の神秘…イエスがヨルダンで洗礼を受けられた事を黙想しましょう
 第二の神秘…イエスがカナの婚礼で最初の奇跡を行われたことを黙想しましょう
 第三の神秘…イエスが神の国の到来を宣言されたことを黙想しましょう
 第四の神秘…イエスが三人の弟子の前で姿を変えられたことを黙想しましょう
 第五の神秘…イエスが最後の晩餐でご聖体を制定されたことを黙想しましょう

参考資料
「おとめマリアのロザリオ」 教皇ヨハネ・パウロ二世使徒的書簡 カトリック中央協議会
「目からウロコ ロザリオの祈り再入門」 女子パウロ会

(特集-ロザリオ 3 2009/10/2)

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